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黒の大玉にゆらゆらした縦線紋の本品は、インドネシアに流入した、1850-1900年頃のオランダ製モザイク・ビーズです。1600年から1949年までオランダ植民下で、流入したことにも納得できます。\r　黒の丸玉に、やや暗い黄、赤、それに薄紫の灰色、やや太い縦帯が縦に、あるいはゆらゆらと施され、また、ゆらゆらした3色の細い線紋や4-5本の並んだ線紋が施されています(1,2枚め）。3色の細い線紋が上下に切り混じり、墨絵のような紋様も見られます。多色模様の黒飴のようにも見えてきます（6，7枚め）。\r　黒の胎には、小さな気泡崩れと1か所の1-2㍉の孔があり、薄紫の灰色や黄の帯にはいくつかの気泡崩れがありますが、胎は滑らかです。19C後半のオランダで、比較的高温のガラス製造がなされていたことが判明します。\r　孔は、軸から剥離させ易いように、約3㍉と約2.5㍉と異なり、片側では周りに2㍉の縁があり、巻いた跡がわずかに見られます。周り近くに、4㍉程度の古い剥落が1つ生じています。\r　3色の、太い帯や細い4-5本の線紋のモザイク・ガラスは、黒の胎に薄く置かれ、成形（マーバー）台で滑らかに整えられ、また、加熱された胎とモザイク・ガラスが熱い内に後者を少しかき混ぜ墨絵の様な紋様を表わしています。\r　ベネチア人のガラス職人が17世紀初めにアムステルダムに移住してビーズ工房を設け、同国のビーズ製作に大きな影響を与えました。オランダは最も早く、直接的に西アフリカとのビーズ交易に関わり、その結果、オランダ製のコバルト・ブルーの初期ドゴン・ビーズが、結婚の持参金として長く相続されました。\r　オランダは、研究書History of Beads 付表によれば、1600年代から1800年代まで、赤茶や白の胎に、赤・青・黄緑の縦線紋を施したビーズが記載され、縦線紋ビーズがその代名詞と見なされています。\r　本品は、オランダ・ビーズの縦線紋の伝統と、帯や細い線のモザイク線紋を、緩やかに捩じる伝統など、一連の伝統も継承し、同時に、インドネシア植民化の歴史も体現した、興味深く歴史を語るオランダ玉です。堅固な丸玉ですので、黒飴のような渋いペンダント・トップとして、懐かしいビーズとしても用いていただけるかと思われます。\rサイズ　　高さ　約20㍉　幅約20㍉　孔径　約3㍉

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