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本品2つ、白帯を波形に巻いたビーズと、枯れた黒い小さなビーズは、イスタンブル・大バザールのビーズ専門店で購入し、古いビーズの供給地アフガニスタンや中央アジアから入手と説明されました。\r　前者は、下がやや平らな双円錐型の黒の胎に白い波形紋という点から、8～12C頃のイスラム・ビーズと想定されます。良く見ますと、胎の片側の白い波形は上下に深く曲がりますが、他側の波形は緩やかな曲線で、それぞれの白ガラスは明るい白とやや灰色と異なります（1、4－5枚め）。\r　下部が少ない双円錐台で、あたかも弾丸型の黒い胎の穿孔面には、巻き製法による巻き線跡が見られます。しかし、穿孔面のうち深く曲がる波形部分にあたる黒ガラスには艶があり、緩やかな波形部分では艶が消えています。\r　本品のような、黒の胎に太い帯状の波状紋のビーズには、興味深い前例が見られます。アフガニスタン北部で出土した、黒の胎に白の太い波線2本を施した丸玉は1C頃のローマン・ビーズとされ、現地では「命に水と光の流れ」吹き込むゆえに、子供を邪視から保護すると信じられていました。波状紋に込められた意味が、広く該当するか知りたいところです。\r　また、黒い細長で弾丸型に類似した胎に、白の波形紋のビーズは、フィリピンで出土した1000年期のビーズと、インドネシアのビーズ研究書に紹介されています（51頁）。少なくとも、弾丸型ビーズが、他地域でも流入・存在しています。\r　弾丸型の本品は、波線紋や黒ガラスの品質相違から、本品は、護符として貴重なビーズで。類似の2片を、現地のビーズ職人が伝統の技術を用い、ビーズが貴重であったがゆえに修復したと言えそうです。\r　2つめの枯れた黒ビーズは、アフガニスタン出土のローマン・アイ・ビーズで、枯れた胎の所々に、かつてのアイ・ビーズの一部、瞳に施された小さな赤ガラスが、尖った形状で残っています。赤と黒のガラス以外の胎全体はパッティーナが被い、引っ掻きますと、粉状物質が浮かび上がります（12枚め）。ガラスが埋もれた地中の物質と化学反応を起こして生じる侵食痕は、ガラスの表面が粉状に剥離し始めたときに生じると言われます。約1000年制作時期が異なる両者の、黒・白・赤のガラスは、ガラス素材の相違と風化変化などを考えさせてくれます。\rサイズ　弾丸型　縦　約13㍉　幅　約11㍉　孔径（大）　約5㍉

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