本書は,この講習の内容を中心にまとめたものである。JIS K 0103「排ガス中の硫黄酸化物分析方法」を対象に,「不確かさ」の推定をする方法と確かな分析技術を有することを証明するための 数による判定について説明した。講習は排ガスのモデルガスとしてJCSSの二酸化硫黄標準ガスを使い,二酸化硫黄の過酸化水素吸収液への吸収,採取ガス量の測定,硫酸イオン標準液の調製,回帰検量線の作成,吸収液中の硫酸イオン濃度の測定および測定値とその「不確かさ」の推定などの多様な過程から成り立っている。さらに,分析の事前の準備としてガラス製体積計やガスメーターの「不確かさ」の推定も含まれる。